2012年04月23日

演奏会の開演時間

 日本ではクラシックの演奏会はほぼ定刻に始まります。少し遅れることはありますが、遅れても5分くらいまでのようです。その原因は演奏者の都合であったり、その日のお客さんの出足具合であったり(天気などの事情)、またアクシデント等々によるもののようですが、基本的には、それらがなければほほ定刻に始まるのが日本の演奏会です。

ところがヨーロッパなどでは通常10分ぐらい遅れて始まるのがほとんどです。だいたい外国の人はあまり駆け込んで会場に入ってきません。定刻に会場に着いても、クロークに外套類を預けてゆっくり会場へはいってきます。それだけでかなり時間がかかってしまいます。ヨーロッパでは定刻というのは、最後の人が会場に到着したときの時間であって、それから着席するまでのあいだの時間をみているわけです。それがおさまるまでが10分ぐらいかかりますから、ほんとうに始まるのは定刻より10分後というわけです。

定刻より遅らせて始めるということは、日本人からみると一見だらしなく見えますが、10分遅らせることによって、ほとんど全部の人が最初から音楽を楽しむことができるのです。ということは、ほかのお客さんも、あとから遅れてきた人のガタガタいう音にわずらわされることもなくてもすみますし、またこの10分間は、すでに会場に到着したお客さんにとっては、音楽を楽しむ前の心の準備にもなる時間になるというわけです。

日本では定刻すれすれに駆け込んでくる人をよくみかけますが、駆け込んだとたんに音楽がはじまるのでは、あまりに外界との差がありすぎて音楽になじめません。やはり30分ぐらい前について、一杯のコーヒーでも飲んで、それからゆっくり音楽に気をむけるようにすれば、新鮮な気持ちで音楽が聴けて新しい感動も生まれてくるというものではないでしょか。

posted by miman at 11:33| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | ティータイム(休憩) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月17日

オルガンの譜めくり?

organ4444.gif ピアノやオルガンのコンサートに行くと、演奏者の隣に立って譜めくりをしているのを見かけます。ピアノの場合は譜めくりさんですが、オルガンの場合は譜めくり以外にも色んなことをしています。
オルガンの譜めくり?は通常アシスタントと呼ばれ、譜めくりとあわせて演奏のための補助を行う役目をもっています。アシスタントは、オルガニストがあらかじめ決めた指示に従い、「ストップ」と呼ばれる、音色を選ぶためのレバーや、コンビネーション(音色の組み合わせの記憶装置)を動かしたりします。
オルガンはただでさえ、鍵盤だけで3段も4段もあり、その上、飛行機のコクピットのようなおびただしい数のレバーがあります。そして、曲の途中に音色を変えようと思うと、そのレバーをリズムに合わせて押したり引いたりしなければなりません。
そのため、アシスタントのミスは演奏のミスにもつながる上に、時には演奏さえも左右してしまうような重要な役目ですので、単に譜面が読める人なら誰でも出来るという訳ではなく、楽器のこと、音楽のことを知っていて、機敏に動け、また信頼できる人でなくてはなりません。つまり、オルガニスト達は持ちつ持たれつ誰かが弾く時は誰かがアシスタントしなければならないオルガン友達や、アシスタントを頼める友人や後輩が必ず必要になるわけです。しかし地方での演奏会などでは、必ずしも良いアシスタントがいないこともあります。そういった時には、アシスタントが必要でない曲を弾いたり、一人で奮闘せざるをえないようです。
このように、演奏の一部とも言えるような重大な操作を人に任せるとは、ほかの楽器の奏者には信じられないことでしょう。

posted by miman at 15:40| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏についてもっと知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月08日

楽隊用語で「落ちる」とは?

cymbal_play[1].gif 打楽器や管楽器では、演奏しているよりも休んでいる方が多いといったような曲がたくさんあります。そのような曲では、休みを数えているうちにどこまで数えたのかわからなくなってしまうことがあります。そうなると自分の弾き始めがわからず、出られなくなってしまいますが、このことを楽隊用語で「落ちる」と言います。
「落ちる」ことはアマチュアならともかく、プロの演奏家には、まず無いようですが、もし「落ちる」ことがあれば、それは致命的なミスにもなりかねないこともあります。
馴染みの曲なら、長い休みがあってもいちいち数える必要もありませんが、初演の曲だったりするとそうはいきません。基本的には、ずっと数え続ければよいのですが、長い休みだと、数え間違えたり、テンポの揺れについていけずわからなくなってしまうこともあります。
そこで、「落ちない」ために、長い休みがたくさんある打楽器や管楽器奏者はいろいろな工夫をしています。
最も原始的で、確実なのは指を折って小節数を数える方法です。これは自分だけにわかるように目立たないようそっとやらなければなりません。練習中ですと折角数えたのに、やっと吹く時になって、その直前で指揮者が止めてしまって、また数えなおし、なんてことがよくありますが、気にしてはいけません。
また、自分の入る部分の前のところに目立った楽器があれば、楽譜に目印の楽器を記しておき、そこから数えればいいようにしておく。
誰かが数えている指を盗み見したりする。近くの奏者とアイコンタクトを取って確認する。・・・それでも分からないときは、近くの奏者の譜面を覗き込む。・・
メロディのない打楽器パートでは、パート譜ではなくスコアを見ながら演奏を追いかけて行くのは基本です。
休みの多い曲といえば、例えば、チャイコフスキーの「悲愴」交響曲。約50分もの大曲ですが、シンバル奏者の出番はわずか4発しかありません。第4楽章のドラを加えても5発…。演奏の99%は座っているだけです。一時間の練習中、自分が参加するのはわずか数秒…。
ドヴォルザークの「新世界」交響曲ではシンバルは全曲中1発だけですから、演奏中に寝てしまって気が付いたら出番が終わってしまったというようなエピソードもあります。


posted by miman at 11:48| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏についてもっと知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする