2012年01月17日

オルガンの譜めくり?

organ4444.gif ピアノやオルガンのコンサートに行くと、演奏者の隣に立って譜めくりをしているのを見かけます。ピアノの場合は譜めくりさんですが、オルガンの場合は譜めくり以外にも色んなことをしています。
オルガンの譜めくり?は通常アシスタントと呼ばれ、譜めくりとあわせて演奏のための補助を行う役目をもっています。アシスタントは、オルガニストがあらかじめ決めた指示に従い、「ストップ」と呼ばれる、音色を選ぶためのレバーや、コンビネーション(音色の組み合わせの記憶装置)を動かしたりします。
オルガンはただでさえ、鍵盤だけで3段も4段もあり、その上、飛行機のコクピットのようなおびただしい数のレバーがあります。そして、曲の途中に音色を変えようと思うと、そのレバーをリズムに合わせて押したり引いたりしなければなりません。
そのため、アシスタントのミスは演奏のミスにもつながる上に、時には演奏さえも左右してしまうような重要な役目ですので、単に譜面が読める人なら誰でも出来るという訳ではなく、楽器のこと、音楽のことを知っていて、機敏に動け、また信頼できる人でなくてはなりません。つまり、オルガニスト達は持ちつ持たれつ誰かが弾く時は誰かがアシスタントしなければならないオルガン友達や、アシスタントを頼める友人や後輩が必ず必要になるわけです。しかし地方での演奏会などでは、必ずしも良いアシスタントがいないこともあります。そういった時には、アシスタントが必要でない曲を弾いたり、一人で奮闘せざるをえないようです。
このように、演奏の一部とも言えるような重大な操作を人に任せるとは、ほかの楽器の奏者には信じられないことでしょう。

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2011年11月08日

楽隊用語で「落ちる」とは?

cymbal_play[1].gif 打楽器や管楽器では、演奏しているよりも休んでいる方が多いといったような曲がたくさんあります。そのような曲では、休みを数えているうちにどこまで数えたのかわからなくなってしまうことがあります。そうなると自分の弾き始めがわからず、出られなくなってしまいますが、このことを楽隊用語で「落ちる」と言います。
「落ちる」ことはアマチュアならともかく、プロの演奏家には、まず無いようですが、もし「落ちる」ことがあれば、それは致命的なミスにもなりかねないこともあります。
馴染みの曲なら、長い休みがあってもいちいち数える必要もありませんが、初演の曲だったりするとそうはいきません。基本的には、ずっと数え続ければよいのですが、長い休みだと、数え間違えたり、テンポの揺れについていけずわからなくなってしまうこともあります。
そこで、「落ちない」ために、長い休みがたくさんある打楽器や管楽器奏者はいろいろな工夫をしています。
最も原始的で、確実なのは指を折って小節数を数える方法です。これは自分だけにわかるように目立たないようそっとやらなければなりません。練習中ですと折角数えたのに、やっと吹く時になって、その直前で指揮者が止めてしまって、また数えなおし、なんてことがよくありますが、気にしてはいけません。
また、自分の入る部分の前のところに目立った楽器があれば、楽譜に目印の楽器を記しておき、そこから数えればいいようにしておく。
誰かが数えている指を盗み見したりする。近くの奏者とアイコンタクトを取って確認する。・・・それでも分からないときは、近くの奏者の譜面を覗き込む。・・
メロディのない打楽器パートでは、パート譜ではなくスコアを見ながら演奏を追いかけて行くのは基本です。
休みの多い曲といえば、例えば、チャイコフスキーの「悲愴」交響曲。約50分もの大曲ですが、シンバル奏者の出番はわずか4発しかありません。第4楽章のドラを加えても5発…。演奏の99%は座っているだけです。一時間の練習中、自分が参加するのはわずか数秒…。
ドヴォルザークの「新世界」交響曲ではシンバルは全曲中1発だけですから、演奏中に寝てしまって気が付いたら出番が終わってしまったというようなエピソードもあります。


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2011年08月17日

ピアニストはピアノを選べない

piano_player_w[1].gif ピアニストにとって常に抱える課題の一つに、「弾き慣れた自分のピアノ以外のピアノで弾かなければならない」という不安があります。ホロヴィッツやミケランジェリのように自分のピアノを世界中に持ち運んだピアニストは例外として、フルートやヴァイオリンのように、ピアノは抱えていくわけにはいきません。

音楽ホール等に設備されているピアノは、楽器の持っているキャパシティも千差万別です。鍵盤の重さや感触、音の出方、音質、タッチなど、さらにはソロ、オーケストラとのコンチェルト、あるいは伴奏などによっても求められるものも異なり、ピアニストにとっては、自分の好みにあった、自由にコントロールが効くピアノがあるのが理想ですが、いつもそうとは限りません。逆にその楽器が奏者の好みに合わないような場合も往々にしてあります。

ではピアニストたちはこれらの状況をどのように乗り越えているのでしょうか。
理想的にはクリスティアン・ツィマーマンのように、自分のピアノを世界中のホールに持ち運び、更に、ピアノ調律師を同行して演奏することですが、これなどは超一流のピアニストだけが許される特権でしょう。

ピアノまで持ち運ばないまでも、ピアニストがお抱えの調律師を常に同行するピアニストもいます。腕のいい調律師であれば、その会場で最もよく響くようにピアノを変えることができますし、演奏者のクセを知っている調律師であれば常に良い状態を把握することができるわけです。

ではこのような財力?に恵まれない多くのピアニスト達はどうしているのでしょうか。
通常は本番の前にゲネプロといわれるリハーサルを必ず行います。そこでもし調整が必要と感じたら(鍵盤の重さや感触、音の出方、音質、タッチなど・・・)、調律師に告げて改善してもらうことができます。しかしそれも限られた本番までの時間内でのことですので、すべてが改善されるとはかぎりません。

ピアニストの横山幸雄さんは「弾きごこちが重たいピアノだったりすると、演奏中に「重いな、しっかり弾かないと」と余分なことを考えてしまいます。反対に、もともとの楽器が持つ良さと、調整、管理が三位一体となったときには、楽に表現ができるので、弾いていて幸せを感じる」と。

また、巨匠リヒテルは「私はピアノを選ばない、あるピアノを弾くだけだ。」と言っています。リヒテルはどんなピアノでも自分の音楽を宿せなくてはいけない。ピアノ弾きには、即座に対応できる柔軟力や動じないタフさ、どんな状況でも音楽を伝える力強い情熱が必要であることを伝えたかったのでしょう。

それにしても、日本で行われる殆どのピアノコンクールは、事前のリハーサルが与えられていません。演奏者にとっては、ピアノを弾く時が、ピアノに始めて触るという、これほど不安なことはないと思うのですが・・・。


posted by miman at 12:11| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノをもっと知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする