2008年04月13日

音楽大学は金持ちでないと入れない

harp_player[1].gif 音楽大学の学費がとても高いことは一般に知られていますが、それではなぜ高いのでしょうか?これは、一般大学のように一人の教員が多人数を相手に授業を行うわけではなく、授業の核が個人レッスンによりおこなわれているからです。ほとんどの専攻で一人60分程度の個人レッスンが週1回は行われています。

 学費だけではありません。楽器の専攻者には楽器の購入費やメンテナンス費用がかかります。その最たるものは弦楽器、特にヴァイオリン専攻者は学生でも何百万円もする楽器を持っているのは普通です。中には何千万もする楽器をもっている学生もめずらしくありません。楽器のよしあしで音が違ってくるので、どうしても良い楽器が欲しくなるのは当然の欲求でしょうか。ピアノ科ですとグランドピアノの欧米一流品だと500万円くらい、管楽器は楽器によってかなり差がありますが、最低でも30万円くらいから100万円以上します。また打楽器などは小さなものから大型のものまで揃えていくと何百万円もします。楽器がないのは声楽くらいでしょうか。

 音楽大学は入学してからも高い学費がかかりますが、音大を受験するまでも膨大な費用がかかります。独学ではまず合格しません。藝大や桐朋などを目指す人は幼少の頃から、その大学の先生に師事してレッスンを受けていきます。専攻楽器のレッスン費、ピアノのレッスン費、ソルフェージュ等のレッスン費、楽器の購入費、楽器のメンテナンス費等々・・・。クラシックの音楽家になるのには「金とヒマがなければ出来ない」といわれるほど、膨大な練習時間とお金がかかります。

 しかし、経済的な問題で音楽大学をあきらめている人にも、できるだけ少ない手持ち費用でも音大を卒業する方法もあります。先ず国公立の芸術大学に入り、奨学金(国で貸与されるもので年間200万円程迄可能)を利用し、親元から通学できると、アルバイト無しでも充分卒業することは可能です。また大学にも芸大の別科や、音大ディプロマコースなどでレッスンを主体としているコースや、短期大学や音楽専門学校など、比較的費用が安いところもあります。音楽の勉強に年齢はあまり関係ありませんが、実力の世界ですのでプロの演奏家になるのは厳しいものです。


 主な音大の授業料は次のとおりです。詳しくは各大学まで。
東京芸術大学・・・初年度120万円、2年次〜4年次各81万円 4年間計363万円
桐朋学園大学・・・初年度271万円、2年次〜4年次各181万円 4年間計814万円
東京音楽大学・・・初年度234万円、2年次〜4年次各214万円 4年間計876万円
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主要音楽大学卒業の著名人

tenor_singer[1].gif ここでは、各音大を卒業して音楽業界また、他の業界で活躍されている方々をご紹介しています。この他にも多くの方々がおりますが、独断と偏見で載せてありますのでご承知おき願います。


●東京芸術大学

東京藝術大学は美術学部、音楽学部共に優れた人材を多数輩出している日本唯一の国立芸術大学です。実技試験を最重要視する入試形態で、その入試倍率は毎年数十倍(音楽学部は5〜6倍)になっています。通称、略称は「芸大」、「東京芸大」と呼ばれています。

【著名な出身者(音楽学部)】 
小山実稚恵 ( ピアニスト)
須川展也 (サクソフォン奏者)
舘野泉 (ピアニスト)
葉加瀬太郎 (ヴァイオリニスト)
フジ子・ヘミング (ピアニスト)
二葉あき子
長門美保
安田祥子
佐藤千夜子
森麻季 (ソプラノ歌手)
芥川也寸志(作曲家)
池辺晋一郎(作曲家)
岩代太郎(作曲家)
大中恩(作曲家・サッちゃん)
加古隆(作曲家・パリは燃えているか)
川村結花(作曲家・夜空ノムコウ)
小六禮次郎(作曲家・功名が辻)
三枝成彰(作曲家・機動戦Ζガンダム)
坂本龍一(作曲家・戦場のメリークリスマス)
佐藤眞(作曲家・大地讃頌)
千住明(作曲家・宿命)
たかしまあきひこ(作曲家・8時だよ全員集合)
滝廉太郎(作曲家)
團伊玖磨(作曲家・ぞうさん、オペラ「夕鶴」)
外山雄三(作曲家・管弦楽のためのラプソディ)
中田喜直(作曲家・ちいさい秋みつけた、めだかのがっこう)
中山晋平(作曲家・東京音頭)
成田為三(作曲家・浜辺の歌)
西村朗(作曲家・二台のピアノとオーケストラの為のヘテロフォニー)
間宮芳生(作曲家・合唱のためのコンポジション、火垂るの墓)
黛敏郎(作曲家・涅槃交響曲)
三木稔(作曲家・源氏物語)
宮川彬良(作曲家・マツケンサンバII、中退)
葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)
諸井誠(作曲家・小懺悔)
矢代秋雄(作曲家・交響曲、チェロ協奏曲)
山田耕筰(作曲家・赤とんぼ、待ちぼうけ)
山本直純(作曲家・歌えバンバン)
岩城宏之(指揮者)
小林研一郎(指揮者)
安西愛子(元自由民主党参議院議員)
井上芳雄(ミュージカル俳優)
大賀典雄(実業家、ソニー名誉会長)
岸洋子(シャンソン歌手)
野村萬斎(狂言師)
森瑤子(小説家)


●桐朋学園大学

桐朋学園大学は東京都調布市あり1961年に開校されました。小澤征爾をはじめとして優秀な演奏家を多数輩出しており、国内外の音楽コンクールでは同学出身者及び在籍者が優勝もしくは上位入賞を占めることも多い。少数精鋭の密度の高い教育を実践しており、子供のための音楽教室から大学、大学院まで一貫した教育体系を持ちます。大学の略称は「桐朋」。

【併設校】

音楽部門:子供のための音楽教室、桐朋女子高等学校音楽科
男子:桐朋学園小学校、桐朋中学・高等学校、
女子:桐朋幼稚園、桐朋小学校、桐朋女子中学校・高等学校(普通科)、桐朋学園芸術短期大学

【著名な出身者】
江戸京子( ピアニスト、アリオン音楽財団理事長)
弘中孝 ( ピアニスト)
野島稔 (ピアニスト)
西村由紀江(ピアニスト、作曲家)
羽田健太郎 (ピアニスト、作曲家)
堀米ゆず子(ヴァイオリニスト・エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝)
諏訪内晶子(ヴァイオリニスト・チャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門優勝)
安永徹(ヴァイオリニスト・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター) 原田幸一郎(ヴァイオリニスト)
徳永二男(ヴァイオリニスト)
加藤知子(ヴァイオリニスト・チャイコフスキー国際コンクール第2位)
豊嶋泰嗣 (ヴァイオリニスト、ヴィオリスト)
戸田弥生(ヴァイオリニスト・エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝)
今井信子(ヴィオリスト・ミュンヘン国際音楽コンクール最高位、ジュネーヴ国際音楽コンクール最高位)
川本嘉子(ヴィオリスト・ジュネーヴ国際コンクール最高位)
清水直子(ヴィオリスト・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席ヴィオラ奏者) 岩崎洸(チェリスト)
長谷川陽子(チェリスト)
藤原真理(チェリスト)
工藤重典(フルート奏者・ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール優勝)田宮堅(トランペット奏者)
小澤征爾(指揮者(短大卒:当時4年制大学未設立)
秋山和慶(指揮者)
井上道義(指揮者)
大友直人(指揮者)
尾高忠明(指揮者)
高関健(指揮者)
高橋悠治(作曲家、ピアニスト)


●東京音楽大学

 東京音楽大学は東京都豊島区南池袋にある私立の音楽大学です。日本国内に有する音大の中で、創立100周年を迎えた、日本で最も長い歴史を持つ名門校。私立の音楽大学の中では最難関のひとつです。

【付属校】
東京音楽大学付属民族音楽研究所、東京音楽大学付属高等学校 、東京音楽大学付属幼稚園 、東京音楽大学付属音楽教室

【著名な出身者】 
小川里美(ミス・ユニバース日本代表)
船村徹・ピアノ科(作曲家・「王将」「別れの一本杉」「風雪ながれ旅」「矢切の渡し」「兄弟船」)
米山正夫(作曲家・「りんご追分」「三百六十五歩のマーチ」「花はおそかった」) 淡谷のり子
春日八郎
霧島昇
池田理代子・声楽科(漫画家)
石橋エータロー(俳優)
大空真弓・声楽科(俳優)
黒柳徹子・声楽科(タレント)


●武蔵野音楽大学
武蔵野音楽大学は東京都練馬区羽沢にあり1949年に設置されました。 創設者は福井直秋。私立音楽大学としては歴史も古く、音楽教員も数多く輩出しています。
【併設校】
武蔵野音楽大学附属高等学校音楽科、武蔵野音楽大学附属幼稚園 、武蔵野音楽大学第一幼稚園 、武蔵野音楽大学第二幼稚園 、武蔵野音楽大学武蔵野幼稚園 、武蔵野音楽大学附属音楽教室

【著名な出身者】
近江俊郎(歌手)
渡辺はま子(歌手)
川田正子(童謡歌手)
佐藤美枝子(声楽家・チャイコフスキー国際コンクール女性声楽部門優勝)
新垣勉(声楽家)
北川暁子(ピアニスト、東京芸術大学教授)
岡崎耕治(ファゴット奏者、NHK交響楽団首席奏者)
江原啓之(スピリチュアル・カウンセラー・武蔵野音楽大学パルナソスエミネンス特修科声楽専攻修了)


●国立音楽大学
 国立音楽大学(くにたちおんがくだいがく)は立川市にあり1950年に設置されました。12月に開かれるNHK交響楽団の第九コンサートでは合唱に声楽専攻の学生が出演することで有名です。大学名の国立の読みは「くにたち」が正しいが、しばしば誤って「こくりつ」と読まれたり、私立大学ではなく国立大学であると誤解されることがある。

【併設校】
国立音楽大学附属高等学校、国立音楽大学附属中学校 、国立音楽大学附属小学校 、国立音楽大学附属幼稚園

【著名な出身者】
神津善行(作曲家・中村メイコの夫、神津カンナの父)
久石譲(作曲家・宮崎駿作品、北野武作品などの映画音楽を手がける)
大島ミチル(作曲家)
佐藤しのぶ(声楽家)
岡本知高(声楽家)
錦織健(声楽家)
秋川雅史(歌手)
菅原洋一(歌手)
友香(歌手)
赤坂達三(クラリネット奏者、作曲家)
小原孝(ピアニスト)
山下洋輔(ジャズピアニスト)
国府弘子(ジャズピアニスト)
茂木大輔(オーボエ奏者、エッセイスト、指揮者、コンサートプロデューサー)


●東邦音楽大学
 東邦音楽大学は埼玉県川越市にあり1965年に開校されました。学校法人東邦大学が運営する東邦大学などとは無関係です。また桐朋音大(とうほう)と区別して「ひがしくに」とよばれることもあります。

【併設校】
東邦音楽大学附属東邦高等学校、東邦音楽大学附属東邦第二高等学校 、東邦音楽大学附属東邦中学校

【著名な出身者】
城之内ミサ(作曲家・指揮者・シンガーソングライター)
中島剛(ピアニスト)
伊藤和広(オペラ歌手)
川澄綾子(声優)

 2007年に放送のテレビアニメ、のだめカンタービレでは、主人公の吹替えを卒業生川澄綾子が担当している。 2006年に放送のテレビドラマ、のだめカンタービレでは、コンサートホールのシーンでグランツザール(キャンパス内ホール)が使用されている。


●洗足学園大学
 洗足学園音楽大学は、神奈川県川崎市にある私立の音楽大学です。ミッションスクールではありませんが、創始者が敬虔なクリスチャンであったことから、イエス・キリストが弟子の足を洗ったことに因んで「洗足」の名が付けられています。

【併設校】
洗足学園大学付属幼稚園 、洗足学園小学校 、洗足学園中学校・高等学校 、洗足学園第一高等学校、洗足学園短期大学

【著名な出身者】
岡野綾(歌のお姉さん)
小山昭雄(ファゴット奏者)
椎葉大翼(作曲家)
高橋敦(トランペット奏者・東京都交響楽団主席)
瀧本瞳(歌のお姉さん)
中澤浩士(ホルン奏者・東京フィルハーモニー交響楽団 )
平原綾香(歌手)
真鍋尚之(笙奏者)
米良美一(声楽家)
渡辺真知子(歌手)

2006年のフジテレビ系列にて放送のテレビドラマ、のだめカンタービレのロケ地として、キャンパス構内やホール等が使われました。


●大阪音楽大学
 大阪音楽大学は大阪府豊中市にあり1958年に開校されました。創立70周年記念事業の一環として、1989年に竣工した「ザ・カレッジ・オペラハウス」があります。日本で初めて専属の管弦楽団と合唱団を持ったオペラハウスで、収容人数は756名。大学の略称は「大音」、「大阪音大」。

【著名な出身者】
大屋政子(歌手、実業家)
小坂明子(シンガーソングライター)
野村貴志(俳優)
スカポンタス(ミュージシャン)
西本智実(指揮者)
山田美也子(タレント、エッセイスト)
新田幹男(トロンボーン奏者・NHK交響楽団) 
東野美紀(ゲームミュージック作曲家)
木村岳(作曲家、サウンドプロデューサー)


●京都市立芸術大学
 京都市立芸術大学は京都市西京区にある公立大学で、日本を代表する美術大学・音楽大学です。1969年市立美術大学と市立音楽短期大学が統合し、京都市立芸術大学となりました。

【著名な出身者】
佐渡裕(指揮者)
阪哲朗(指揮者)
川上肇(トランペット奏者・関西フィルハーモニー管弦楽団)
宮川泰(作曲家)
菅英三子(声楽家)
谷村由美子(声楽家)
三井ツヤ子(声楽家)
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音楽大学の専攻いろいろ

saxplayer[1].gif 音楽に関連した専攻には次のようなものがあります。国立大学は「教育学部」系、公立・私立大学は「音楽学部」がほとんどで、「芸術学部」系もあります。


【演奏系】
●声楽
●鍵盤楽器
ピアノ、パイプオルガン、チェンバロ、電子オルガン
●管楽器
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、サクソフォーン、ホルン、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、テューバ
●弦楽器
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、クラシックギター
●打楽器
ティンパニ、マリンバ、小太鼓
●古楽器
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、リコーダー
●邦楽・伝統音楽
三味線、箏、尺八、長唄、長唄三味線、琵琶、能、狂言、琉球芸能
●指揮


【制作系】
●作曲
●音楽制作
●音楽デザイン
●音楽ビジネス・マネジメント
●コンピュータ・ミュージック


【教育系】
●音楽教育
●音楽教員養成
●幼児教育
●音楽学
●音楽文化・芸術
●楽理


【ポピュラー系】
●ジャズ・ポピュラー
●ヴォーカル
●ミュージカル

【その他】
●調律
●音楽療法
●音楽環境
●音響
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音大受験の準備

cello[1].gif 音大受験の準備には時間がかかると言われます。幼少の頃からレッスンを積み重ね、一歩一歩上達していった結果として音大に入学できるといったイメージがあります。トップレベルの音大では多くの学生がそうであるようですが、必ずしもそんなケースばかりではありません。あなたが音楽系の学校への進学を決めたなら、準備はできるだけ早いほうがいいのは当然ですが、幼少のころから準備が必要な専攻と、ある程度始めるのが遅くても可能なものがあります。学校によっても必要な試験科目やレベルは違いますが、ここでは一般的な受験準備について記載しました。

【レッスンはいつから】
●ピアノ、弦楽器は幼少の頃から必須
 ピアノ専攻や弦楽器専攻では、幼少の頃からレッスンを受け始めるのがほとんどです。芸大クラスを目指すピアノ専攻の場合は、小学校の頃からピティナ(社団法人全日本ピアノ指導者協会)の地方のコンクール等に入選するぐらいのレベルが必要で、高校入学頃には受験曲を十分弾きこなすくらいになっているのが理想でしょう。私立音大の場合はレベルにもよりますが、やはり幼少の頃から始めて、中学生の頃にはかなり弾けているのが普通で、いずれにしても小学校中学年以降からの準備ではおぼつかないのが現状のようです。


●管楽器や声楽は高校からでも遅くない
 声楽専攻や管楽器専攻の方たちの中には、高校に入ってから準備を始めて合格したいう人も多いようです。管楽器は中学や高校で吹奏楽を経験し、その魅力に魅せられて音大を目指す人も多いようです。管楽器はそうした人が多いため、その時期からでも頑張って練習すれば芸大も夢ではありません。

 特に声楽専攻は高校以降から始める人も多いようです。特に男声は声変わりしなければ本格的なレッスンができないという事情もあり、変声期以降準備を始める人が多いと思われます。その分大学を卒業後、大学院や海外留学で勉強を続ける人が多いようです。

【入試科目の準備】
●聴音の練習
 幼児教育から始め、そこで絶対音感を養うことができれば聴音は難なくできるようになります。受験の対策として聴音の練習をするときも、問題を弾いてくれる人がテンポもリズムも正確にピアノで弾いて、それを楽譜の正確な書き方で書く必要があるので、絶対音感を持っている人でも受験前には専門の先生に習うことがいいと思います。絶対音感が無い人でも高校以降で、やはり専門の先生について1〜2年程度は繰り返し訓練をしてレベルアップしていけば充分間に合うと思います。


●新曲視唱の練習
 8小節から16小節くらいの旋律が書かれた楽譜(多くの場合試験のためにつくられたオリジナル)を30秒ほど見て、声を出して歌います。音程とリズムの正確さの試験なので声質は関係ありません。高校入学後の練習で充分間に合います。声楽専攻の方は別にコールユーブンゲン(声楽の教則本)の視唱が必ずありますので、専門の先生について繰り返し訓練をして徐々にレベルアップしていくことが必要でしょう。


●楽典の知識
 楽典というのは、楽譜上だけではなく音楽の基本知識です。知っていて当然のことばかりで、その先の勉強を進めるのに必須ですから、誰かに習ったり、教えてもらうようなものではなく、独学で勉強が可能です。学習には、楽典の本が1冊と、問題集が1冊か2冊くらいあれば十分です。しっかりと勉強しておくと、入試に役立つだけではなく、和声学や楽曲分析、作曲や編曲などにも役立つので早めに準備を始めるのがいいでしょう。

●副科ピアノのレッスン
 ピアノ専攻以外の全員に課せられているピアノの演奏課題です。曲はベートーヴェンやモーツァルトのソナタの第1楽章や第4楽章が課題となっているようです。小さな頃からピアノのレッスンを受けている人なら高校に入ってからでも充分に間に合います。作曲や指揮専攻ではかなりのレベルが求められますが、それ以外の専攻では通して弾ければ問題ないでしょう。高校以降にレッスンを始めても充分間に合うでしょう。


●講習会には必ず参加する。
 音大では音大志願者の受験準備に役立たせるための講習会を夏期および冬期に実施しています。講習会では志望学科に必要な科目、または学びたい科目を自由に選択することができます。学校選択という意味のほかにも、周りの同じような受験生のレベルを知ることもでき、その学校の受験なら試験会場に慣れることにもなります。

 また、受験する学校の講習会に複数回参加して、そこの講師陣に自分のレベルをある程度判定してもらうことくらいは、しておいた方が無難かもしれません。できれば、その後からも個人レッスンを定期的にしてもられるようであれば、合格レベルに達しているかどうかくらいは、受験曲の選曲も含めて判断してもらえるでしょう。講習会は高校1、2年生でも受講することができますので、積極的に参加しましょう。
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音大受験の入試科目

violin_1[1].gif 音楽大学の入学試験では一般的に以下のような科目が課されます。どの専攻でもほぼ共通ですが、専攻によっては、これ以外の科目もありますので詳しくは各大学の入試情報で確認しましょう。


○専攻実技試験
 音楽大学の専攻実技試験は、ピアノ科ならばピアノ、声楽なら歌が、ずばぬけて上手ければ、だいたい合格圏内に入ってきます。その他の科目は、一般の大学の入試科目の難易度に較べれば、それほど困難なものではありません。そのくらい重要視されるメインの科目です。実技は課題曲と自由曲がある場合が多く、曲数や指定時間も各校によって異なりますので、各学校の入試情報で確認しましょう。


○副科ピアノ
ピアノ科以外の学科を専攻する全員に科されます。自由曲1曲という場合が多いですが、その場合、ベートーヴェンやモ―ツァルトのソナタの第1楽章または終楽章を弾く場合がほとんどです。ピアノ科ほどの難易度は求められませんが例えば、作曲科や学理科、教育科などはかなり高いレベルが求められます。逆に管打楽器専攻や、声楽専攻などは止まらずにとりあえず弾けていたら良いといったところもあります。大学によっては、ハノンなどの課題もある所がありますので、詳しくは各大学の入試情報で確認しましょう。

○楽典
 楽典とは音楽の基礎知識の問題です。音楽理論ともいいますが、どちらかというと、音楽理論のうちの初歩的な部分をさしていいます。その多くは、楽譜についての記譜上の約束事や音楽のルール等の事です。内容はさほど難しくはありません。どんな問題の傾向なのかは、各学校によって多少異なりますので、資料を取り寄せて問題の程度や過去問を見てみましょう。普通は大学に入学してからは楽典の授業がないので、入試で非常に重視する学校もあるようです。


○聴音
 ピアノで弾かれる音楽を楽譜に書く試験です。メロディ聴音と和声聴音があります。どちらも開始音かその調性のTの和音(たとえばハ長調の場合はドミソの和音)が弾かれた後、30秒程度の間隔を空けて、4〜5回弾かれ、その間に五線譜に採譜していきます。メロディ聴音のコツはまず拍を数えながら音のみを小さく書きこみ、2回目以降にリズムを書いていきます。和声聴音はまずソプラノ、次にバス、最後に内声を聴き取るのがコツです。


○新曲視唱
 以前はソルフェージュと呼んでいましたが、現在では楽典、聴音も合わせてソルフェージュと呼ぶ事が多いようです。8小節から16小節くらいの旋律が書かれた楽譜(多くの場合試験のためにつくられたオリジナル)を30秒ほど見て、声を出して歌います。音程とリズムの正確さの試験なので、声質は関係ありません


○コールユーブンゲン
 歌の基礎教科書であるコールユーブンゲンをあらかじめ勉強しておき、当日指定された任意の1曲ないし数曲を歌う試験です。コールユーブンゲンをまるごと1冊覚えていけば、とりあえずテストはクリア出来ます。ピアノ専攻で試験科目になっているところは少ないでしょうが、聴音と新曲とコールユーブンゲンから2つ選択というところもあるかもしれません。また声楽専攻では必須のところが多いようです。


○英語、国語、小論文
 これに関しては、一般大学とあまり変わりませんが、国語と外国語は、基礎的な問題を中心に、高校までにどの程度の実力を身につけているかを判定するための学科試験です。音大の場合、参考程度にする場合がほとんどですが、実技でどれだけ高得点をマークしても、学科試験の点数が悪ければ当然合否に影響します。、音楽の勉強に時間を取られて、学科のテスト勉強がおろそかになるのは良くありません。一科目ごとの得点を着実にあげることを心掛けてください。また大学入試センター試験を利用するところも多いようです。詳しくは各大学の入試情報で確認しましょう。
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国公立の音大は日本にはない

score_stand[1].gif 単科の国公立の音楽大学は現在、日本には存在しません。日本の国立大学法人が運営する音楽学部が設置されている大学は唯一東京藝術大学だけです。

 次いで、公立大学としては、「愛知県立芸術大学」「京都市立芸術大学」「沖縄県立芸術大学」の三大学があります。またピアノと声楽のみですが、「お茶の水女子大学」に芸術・表現行動学科、音楽表現コースが設置されています。また「東京学芸大学」や「大阪教育大学」のように、実質的に音楽大学と同じ教育を行う教員免許取得を必須としない特設音楽科を設ける大学があります。

 つまり単科の音楽大学と言う意味からすると日本の音楽大学は私立大学のみになっています。
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音楽大学とは

piano_2[1].gif 音楽大学とは、音楽ならびに音楽学を専門とする単科大学のことです。音楽大学では音楽に関する多くのことを教育、研究し、学生は一般的に作曲や指揮、声楽、鍵盤楽器、弦楽器、管楽器、打楽器などの演奏技術や、音楽学など音楽に関する知識を学ぶことができます。

 音楽大学での教育・研究は、クラシック音楽界に歴史的に続いてきた師弟制を格として、個人レッスンを中心とする教育手法をとっているのが通常の大学と異なる点です。音楽大学は単に「音大(おんだい)」と略されることが多く、東京藝術大学音楽学部のような芸術大学内の音楽学部なども含まれています。
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音楽大学のレベルと選び方

metronome[1].gif 音楽大学のレべル・難易度というとやはりトップは東京芸大になるでしょう。東京芸大以外では、専攻の科目によって違ってきますが、私立の音大の総合的なレべルは、桐朋学園、国立音大、武蔵野音大、東京音大そして公立の愛知県立芸術大学や京都市立芸術大学などは一言で言うとほぼ横並びといっていいのでしょうか。最近は洗足学園などもレベルを上げてきているようです。

 音楽大学のレべルを図る一つの目安に、著名な国内外のコンクール入賞者の数があります。その点から見るとやはりどの専攻においてもダントツに入賞者が多いのは東京芸大です。東京芸大以外では弦楽器や指揮者の専攻においては芸大に匹敵するかもしくはそれ以上の逸材を輩出している桐朋学園、声楽のコンクールで入賞者が比較的多いのが国立音大、桐朋学園、東京音大、ピアノは桐朋学園、東京音大、古くから歴史のある武蔵野音楽大学、管楽器は国立音大、東京音大、また専門学校の東京ミュージック&メディアアーツ尚美なども頑張っています。また公立では愛知県立芸術大学や京都市立芸術大学なども入賞者が多いようです。

 また人気度はというと、伝統的に師弟制度で成り立っている音大ではどのような先生がいるか、どのような卒業生が活躍しているかというように、一般的に世間の認知度の高い大学に人気があるようです。また最近ではTV番組「のだめカンタービレ」の舞台に使われていた洗足学園などが、学校改革や経営についてもイメージアップが図られているようです。
 それでは、どの音大を選ぶのがいいかというと、芸大に入る実力がある人でも、「井の中の蛙」のほうが実力を発揮できるタイプの人は、芸大でレべルの高い学生の多い中にうずもれてしまうよりも、私立大学にいって上位に位置し、学内コンクールの入賞や、公開レッスンの生徒に抜擢されたり、コンチェルトのソリストをつとめたりといった活躍の場を得ることの方が利点になることもあります。

 クラシック音楽の世界では自分にとって最良の先生に廻りあい、師事し、経験、音楽性、技術を身に着けていくのかが、大学の名前より重要になります。そのため大学入学前に師事していた先生の推薦する学校に入ることが多く、また逆に入りたい大学の先生を選んで師事し、その大学を目指すというのが一般的になっています。一流の演奏家が必ずしもよい先生とは限りませんが、自分にあった先生に廻りあえることは、何にもまして大切なことのようです。
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2008年03月01日

コンクールにもピンキリ

piano_player_w[1].gif クラシックの音楽コンクールといってもまさにピンからキリまで、日本国内だけでも200以上のコンクール・オーディションが開催されています。対象もピアノ、声楽、管楽器、打楽器、アンサンブル、指揮等々すべてのジャンルにわたってあります。数あるコンクールですが、同じ「コンクール」という名称でも、参加者のレヴェルは主催者、審査員の名前だけで大きな差があることは、実際にいくつかのコンクールを受けた人やその世界にいる人でないとわからないようです。

 国際コンクールと名称がついているコンクールがありますが、これは国際音楽コンクール世界連盟に加盟しているコンクールで、公募方法、審査規定、運営組織としての条件や賞、顕彰、上位のコンクールへの出場権などが規定されているコンクールです。(仙台国際音楽コンクール、浜松国際ピアノコンクール等)

 またコンクールの中には営利を目的に運営されているものもあります。(オーディションという名称のことも多いが)。そういったコンクールでは参加料などが比較的高く、入賞者や合格者を数多く出して、コンクール終了後に入賞者演奏会などと銘打って演奏会を持ち、入場券を演奏者に負担させて成り立っているものもあります。
もっとも一般の人にはコンクールの中身までは知る余地もないので、コンクールに入賞といえば、経歴にも載せることが出来、ステータスにもなるため、コンクールへの参加者もその辺の事情もある程度知って参加しているようです。こういったコンクールも多くの音大生の励みになるという点では必要だということもできます。

 それでは一般的に認知されている(レヴェルの高い)コンクールとはどのように見分けられるのでしょうか。それは主催者、審査員の顔ぶれ、賞金の額が目安になります。主催者は地方自治体や公共団体のような営利を目的としていない団体等で、審査員はその世界での知名度の高い方が多くいて、賞や顕彰の額が多額となれば、必然的にレヴェルの高い参加者が多く集まり、一流のコンクールと言われるようになります。

 知名度の高い審査員が多くいるとレヴェルがあがるという理由の一つとして知名度の高い(ある程度年齢を重ねた)審査員はお弟子さんや、関係している音楽大学の学生などが多くいて、その生徒たちが先生に促がされて数多く参加してきます。コンクールでは誰に師事した人が入賞したかで先生の指導の評価もされるので先生も積極的に参加を勧めます。そのため、コンクールの中には自分の師弟に甘い点をつけないよう、演奏ステージにブラインド(目隠し)を施して審査するところもあります。(そうしても自分の生徒は殆どわかるようですが)

 このように日本国内のコンクールだけでもかなりレヴェル差があるので、外国でのコンクールなどでは、知名度の高いコンクールを除き、名前も知らないような☆☆コンクール入賞などと、いくつも経歴にあってもその実力のほどは実際に聴いてみないとわからないというのがほんとうのようです。

 逆に、中にはコンクール荒らしといわれる、レヴェルの高い一部の学生がコンクールの賞金目当てにさまざまなコンクールを受けて入賞しているつわものもいます。もっともコンクールの参加資格は殆どが30代前半までなので、若いうちだけですが。
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2007年09月25日

音楽講師

pi_girl2.gif音楽講師は音楽の専門をいかして音楽の演奏指導や楽器の指導をする仕事です。中でも一番多いのがピアノ講師ですが、音楽ジャンルもクラシックだけでなく、ポピュラーミュージックやジャズピアノなど、習う側の目的や好みにより様々なジャンルに分かれてきます。

ピアノの他にはフルートやサクソフォーンなどの木管楽器や金管楽器、ヴァイオリンなどの弦楽器、クラシックの声楽やオペラ歌唱、ポップス系のヴォーカル、アカペラ、ギター、ドラム、ベース、作曲などにいたるまで、あらゆるジャンルの様々な楽器の指導をする講師がいます。

音楽講師の仕事につくのにはこれといった資格が必要というわけではありませんが、音楽に関する深い知識とプロの講師として技術に加えて、何よりも大切なのは「教えるのが好きなこと」です。音楽講師には生徒一人ひとりの個性やペースに応じて、ていねいに教えることのできる面倒見のいい人が向いており、また根気強い性格であることも必要になります。

音楽講師は音楽大学や音楽の専門学校で教える他、音楽教室、カルチャーセンター、自宅レッスン、出張レッスン等様々なケースがあります。大部分の人がいくつかの講師を兼務し、演奏や作曲、その他の音楽活動も含め生計を立てています。


posted by yumigon at 17:29| 東京 ????| Comment(1) | TrackBack(1) | クラシック音楽の仕事